【GビズID】代表者変更は「名前の修正」じゃない!正しい手続きを3ステップで解説
こんにちは!八王子市の行政書士、吉村です。
事業承継や役員交代で会社の代表者が新しくなった際、多くの事務手続きが発生します。その中でも、特にご相談が多く、また間違いやすいのが**「GビズIDの代表者変更」**です。
「マイページにログインして、名前を書き換えればいいんでしょ?」
お待ちください!実はそれが、一番大きな勘違いなのです。
今回は、この重要な手続きの正しい方法を、分かりやすく3つのステップで解説します。
大前提:既存IDの「代表者名」は変更できない!
まず、最も重要なルールをお伝えします。gビズidプライムのアカウントは、一度登録した代表者の名前を変更することはできません。
なぜなら、gビズidプライムは「法人・個人事業主」そのものに発行されると同時に、「登録した代表者個人」の認証情報(実印と印鑑登録証明書)に強く紐づけられているからです。
そのため、代表者が代わるということは、認証する「個人」が変わることを意味します。よって、手続きは「情報の更新」ではなく、「認証のやり直し」となるのです。
正しい手続きは「新規作成→引継ぎ→旧アカウント廃止」の3ステップ
では、具体的にどうすればよいのでしょうか。正しい手順は以下の通りです。
ステップ①:【新代表者】が、新しいgビズidプライムを「新規で」取得する
これが最初にして最重要のステップです。新しい代表者様ご自身の情報で、gビズidプライムをゼロから新規作成してください。
手順:通常の新規取得と同じです。公式サイトで申請書を作成し、新代表者の実印を押印。新代表者の印鑑登録証明書(3ヶ月以内)を添えて郵送します。
注意点:審査には2週間ほどかかります。代表者交代が決まったら、間を置かずにすぐにこの手続きに着手しましょう。
ステップ②:各種サービスでの「管理者権限の引継ぎ」を行う(必要な場合)
新代表者のアカウントが開設できたら、次に行いたいのが、jGrants(補助金申請システム)など、GビズIDで利用しているサービス内での引継ぎです。
手順:旧代表者のアカウントでサービスにログインし、新代表者のアカウントに対して「管理者」などの権限を付与します。
目的:これにより、過去の申請履歴などを新代表者がスムーズに確認・管理できるようになります。データの空白期間を作らないための重要な作業です。
ステップ③:【旧代表者】のアカウントを「廃止」する
新代表者への引継ぎが完了したら、セキュリティの観点から、旧代表者のアカウントは必ず**「廃止」**してください。
手順:旧代表者のアカウントでGビズIDのマイページにログインし、「アカウントを廃止する」メニューから手続きを行います。
注意点:旧代表者がすでに退職してログインできない場合は、手続きが少し複雑になります。GビズIDのヘルプデスクに連絡し、指示を仰ぐようにしてください。
【まとめ】
GビズIDの代表者変更は、①新しく作り、②情報を引き継ぎ、③古いのを消す、という流れだと覚えてください。
この手続きは、会社の重要なデジタル資産を安全に次世代へ受け渡すための大切な作業です。もし手続きにご不安があれば、私たち専門家がしっかりとサポートいたしますので、いつでもお気軽にご相談ください。